D 大学生のボランティア活動等の奨励

学生が就職前に多様な経験を積み、見聞を広める手段としては、日本国内や 海外でボランティア活動等に参加することも有益である。

東日本大震災の災害復旧活動においても、学生ボランティアが様々な場面で活躍している。 大学側は、学生が長期間のボランティア活動にも参加しやすくなるよう、 ボランティア活動参加のために休学する学生にきめ細やかな履修指導を行うとともに、 休学中の学費の取扱いを予め決め、さらにボランティア活動の内容が大学の授業内容と密接に関わる場合には、 ボランティア活動に対し単位を付与するなど、様々な配慮をすることが期待される。

また、英国等では、大学入学前もしくは卒業後に、学生が“Gap Year”9を取得し、 一定期間(通常1年間)を、国内外でボランティア活動や社会貢献活動をして過ごすことが推奨されている。 わが国でも、学生が国内外で本格的にボランティア活動等に従事できるよう、 “Gap Year”を導入することも検討に値する。

その際、企業側には、そうした学生の多彩な経験を採用活動において積極的に評価する姿勢が求められる。

(2)企業各社に求められる取り組み

@ 本社の日本人社員のグローバル化対応力の養成

本社の日本人社員のグローバル化への対応力を養成するためには、社員の入社後、 外国語研修や、異文化・社会に対する理解力を高めるための研修機会を提供するとともに、 肌感覚で、海外の文化や生活を理解するため、早い時期に海外経験をさせることが望ましい。

今後はさらに、一部企業が実施しているように、入社後、5年以内を目処に、 若手社員を海外現地法人に1年から2年間派遣し、実務をこなしながら、 英語でのビジネス遂行能力やプレゼンテーション能力などのスキルを身につけさせ るプログラムを研修の一部に組み込むことなども検討に値する。

さらに経営学や法律などの高度専門知識の習得を目的に、 若手社員が海外のビジネススクー ルやロースクールなどに留学する機会を増やすことも考えられよう。

また英語や中国語など、外国語能力を習得することの重要性に対する社員の 認識を高めるため、新卒採用の際の条件や、社員の昇進・昇格、海外駐在員と しての派遣の要件として、一定レベル以上の外国語能力を要求するような取り 組みも考えられる

A 外国人人材の採用と育成

グローバルな事業展開を行う多国籍企業の間では、世界規模で、優秀な人材 の獲得に向けた競争が激化している。

将来のわが国企業のグローバル・ビジネスを担う優秀な人材を確保するためには、 本社においても、日本人社員のグローバル化への対応力を強化するとともに、 日本の大学で学ぶ留学生など優秀な外国人人材を人物本位、国籍不問で採用し、育成していくことが求められる。

日本企業における外国人人材の定着率を高め、活用していくためには、外国 人人材を積極的に採用・登用しているグローバル企業の取組み事例を参考に、 各社が、自社に適した取り組みを進めていくことが重要である。

結婚・出産を契機に医療現場を離れる女性が増えている。 しかし医療現場は慢性的な人材不足であり、復職支援が必要とされている。 女性のための看護師の復職・再就職といった仕組みに取り組むべきであり、 国を挙げた支援策が求められる。

(3)大学に求められる取り組み

各大学は、今後、それぞれの教育目標や、個性・特徴を踏まえて、機能別に 分化していく中で、グローバル人材の育成や、世界トップレベルの研究者・教 育者の育成に重点を置く大学は、以下のような取り組みを進めるべきである。

@ リベラル・アーツ教育の充実

グローバルに活躍する日本人人材は、異なる文化や価値観への関心を持つと ともに、日本の文化や歴史、哲学などの学習を通じて、物事を考察する際の基 礎となる思考力を身につけることが求められる。大学におけるリベラル・アー ツ教育の拡充を通じて、文科系、理系等の専門科目に捉われず、幅広い視野や、 基礎的思考力を身につけさせることが重要である。

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